2016年6月16日木曜日

当たり前のように



とある企業からのご依頼で、昨年から試作を繰り返した品が、最終製品の検査も無事にパスし、春から正式に月産ベースでの本生産が開始しました。

自分が手掛けているのは、手術等で用いられる医療用器具の、完成品となる前の鍛造加工品。
初めての領域の仕事でもあり、材料も形状もやや特殊な部類に入り、どうやって制作するか、どう課題をクリアするか、試行錯誤の連続でした。

特に材料が恐ろしく堅くて、それがもとで、昨年腕を痛めてしまったことも。鍛造可能な温度範囲もかなりシビアで、ちょっと油断すると、外からは見えない内部で割れてしまっていたり。
失敗と学びを繰り返し、ようやく何とか、自分なりの付き合い方が見えてきたように感じます。

その品が、誰かの病気や怪我を治す助けとなることを思い、その先に紡がれるかもしれない、誰かの暮らしや幸せへと、思いを馳せてみる。

当たり前のようなことを、当たり前のように積み重ねていく。
毎日暮らしていくように、日々、丹念に向かい合う。
その中に見えてくるというよりも、その中に浮かび上がってくるというよりも、当たり前のようにあり続けるそのことそのものが、特別なことであり、大切なことであるように。

名もなき、一人の職人として、今、目の前に向かい合うものごとそのものが、どこか誰かの「何か」へと繋がっていくことを、いつも願っています。

(※画像は本文とは直接は関係ありません)


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